メロンダウト

メロンについて考えるよ

木村拓哉が貫き通した「悪」とは何か?大人とは何か?

スマップ解散のニュースで木村拓哉さんの人間性が見えた・・・ような気がするのですこし文章を書いていきたい。

 

SMAP解散までの経緯については以下サイトを貼り付けておくのでご存じない方は参照してください。

 

SMAP解散騒動 - Wikipedia

 

今年12月末日をもって解散するSMAPだが木村拓哉さんだけがジャニーズサイドにつき、他のメンバー4人はお世話になってきたマネージャーサイドに立った。

事務所、そしてメンバーの内部分裂によって今年12月を持って解散という形となってしまったSMAPだがこのニュースを見た時に最初に思ったことがある。なぜ木村拓哉さんだけがジャニーズ側にたったのだろうか?

 

木村さんだけが既婚者だったから?もともと事務所内の権力構造でジャニーズサイドにいたから?

などと想像してあれこれ憶測で書いても真相を知りようがない。現状わからないので意味のない話はやめよう。

 

木村拓哉の悪

解散のニュースを聞いて木村さんだけが孤立していた状態だと報道で聞いた時に草薙さんの飲酒騒動の件での木村さんの発言を思い出した。

僕はファンではなくたまに月曜の夜に帰ってきてスマスマなどが流れていれば見る、そんな程度の見聞しか持っていないのだが当時の木村さんの発言は覚えている。それはとても衝撃的だったからだ。

草薙さんが自宅謹慎処分になった時に他のメンバーが連絡して「大丈夫か?」と心配するなか、木村さんだけが何もしなかったそうだ。

理由は「メンバー全員で心配するようなことをしたら反省の意味がない」というものだった。

木村さんのかっこよさや人間性の根幹がおそらくここにあるんだろうなと思った。だから覚えている。つまり彼は「偽悪」なんだなと。

 

メンバーが自宅謹慎処分になりSMAPが5人ではなくなったことは木村さんにとっても相当に心配する出来事なはずだし、友人とか仲が良いとかそんなことは置いておいても長年一緒に仕事をしていた草薙さんのことが心配にならないはずがない。

しかし木村さんは連絡しなかった。自らの配慮とかやさしさとか欲望とかは棚上げし、なんとかバランスをとるために悪にも善にもなることができる。

木村さんのような人は一般社会でもかなり少ないように感じる。ボランティアのような偽善的行動*1をする人はかなり多いが偽悪的に行動できる人は相当すくない。

なぜなら偽悪というのは外部から見たら単なる悪に見える場合のほうが多いし、内部でものちに軋轢となって残ることがある。本人にとって偽悪は何の得にもならない。

 

ブローノ・ブチャラティのバランシング

同じような自分の欲望を棚にあげる話で思い出したのがフィクションであるが「ジョジョの奇妙な冒険5部」に出てきたブチャラティのことだ。

ブチャラティは幼いころに両親が離婚しどちらと一緒についていくかという選択を迫られた時に父のほうを選んだ。

ブチャラティは幼いながら両親のことを良く見ていた。活発で旺盛な母、堅気で律儀な職人気質の父だった。ブチャラティは堅気な父は僕と一緒にいないとダメになると判断し自分がどちらについていきたいかという欲望を棚上げして父のほうを選んだ。

 

 

大人とは何か?

木村さんの偽悪、ブチャラティのバランス

そういう目線で今回のSMAP解散を見てみるとすこし違った景色が見えてくる。今回の記事を書くにあたりすこしSMAP解散についてざっとネットでの記事を読んでみたがなかには木村さんのことを裏切者と書いている記事も目にした。

それに関してはおいちょっと待てよと言いたい。僕はジャニーズサイドに一人だけたった木村さんのことを非難することは非常に浅はかだと思っている。

草薙さんの件と同じように木村さんはSMAPのために偽悪となったんじゃないだろうか?

騒動の発端は長年SMAPのことをお世話してきた飯島氏がジャニーズ事務所を退社するというお家騒動で香取さんなどが飯島氏のことを慕っていて彼も一緒にやめるというものだった。

そして木村さん以外の4人が同調するなか木村さんだけがジャニーズサイドにたった。しかしジャニーズをやめ飯島さんのもとでSMAPとして活動するという算段になった時に自分たちをここまでにしてくれたジャニーズ事務所への義理はどうするのか。世間ではジャニーズ事務所の経営陣を老害などと侮蔑する書き込みがあるが当の本人達にとって見ればそんな簡単な話なわけがない。なんたって25年である。会社に忠を尽くすなど時代遅れもいいところだがSMAPという会社員は特殊であって通常の物差しで測るのは難しいのは容易に想像できる。

 

ひょっとしたら最初の騒動の時にSMAPのことだけを考えればジャニーズをやめて活動するほうが良かったかもしれない。しかし木村さんはメンバーと事務所との相克に悩んだ。そうしてまたバランスをとるために「悪」として振る舞うことを選んだ。

しかし騒動から半年後SMAPは解散を発表。木村さんはメンバーから孤立して裏切者の悪として認知(する人もいる)されることになってしまった。

 

思い返せば木村さんはあれだけかっこよくドラマにも何本も出演し国民的スターの地位にありながら彼をテレビで見かけるとどこか臆した顔をしている時が多かったように思う。日本でキムタクほど承認されている人間はどこにもいないというのに傲慢さが見当たらないどころか自信がなさげなようにすら見える時があった。

 

番組内容もいつも全力で楽しむというよりも心の中心にスッと柱をたてているような感じだ。

笑う時も全力の笑顔ではなくメンバーがみんな騒いでいる時も一人だけ良い意味で一線をしいているようなそんな顔をしていた。

 

 

今回の騒動で木村拓哉がメンバーを裏切った。それだけなら話は簡単だ。

しかしファンでもない、内部事情も知らない、会ったことなどもちろんない、テレビから流れるキムタクをぼんやりと見ていた僕でもほとんど確信して言えることは「どう見ても彼はそんな人間じゃないだろう」ということ。

 

木村さんが悪だと思う人はその悪は偽悪ではないか?そして組織の中で悪になり嫌われてでもバランスをとる役割を果たす「大人」とはなんなのか?

キムタクを見て考えたほうがいい。解散はただただ残念です。

www.youtube.com

*1:ボランティアが偽善かどうか論じるつもりはないのであくまで参考として