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メロンダウト

メロンについて考えるよ

長谷川豊氏はそもそも本音で議論したら社会は壊れるという大前提を忘れてるんじゃないだろうか

本音と建前 拙い社会思

またはてなのトップページにあがってきた長谷川氏の本気論本音論というブログタイトルを眺めていた。なんだか異様なそのブログタイトルこそが長谷川氏の思考に絡む藁なんではないかと思った。

 

本音と聞くと裏表のない人間のようなポジティブな印象を持つことがあるが基本的に人間の本音・個人的な欲望は他人から見たらおぞましいものに見えることのほうが多いものです。今回の長谷川氏の自堕落透析患者抹殺論もそう。だから「本音論」というタイトルのくくりで見れば長谷川氏のエントリーも本音であるという一点に関して言えば評価できるところではあると考えられます。エントリーの内容とは完全に別な視点ではありますが・・・

長谷川氏の今回炎上している件についても彼なりの資本分配論なのだろうがそういった社会正義のように見える本音はたいていが個人の生存者バイアスであったり高慢さ、自律力、プライドなど個人の勝手な判断基準を用いて語っているに過ぎません。それは個人の主観としてはまぎれもない本音であって長谷川氏個人の人生経験から得た福祉のありかたなのでしょう。しかし個人の能力、欲望、感情、理性、自律能力、ジレンマ、人間関係などは社会全体においては多種多様であってそもそも一個人がどれだけ汗を流してもそこから得た知見だけで社会制度を語ったらダメなのです。

本音で議論したら社会が壊れるというのはそういう意味。だから客観性、社会的受容性の伴わない「本音論」というのがエントリーの内容以前に問題としてあるのではないでしょうか。

 

id:fujiponさんが「そんなに人間は完璧には生きられないよ」と仰っていましたがまさにそのとおりで人間の能力はほとんどが後天的な運とか獲得した能力や人との関係の中で生まれてくるもの。努力ができるかどうかさえも遺伝子によって決まっているという説さえあります。だから人間の能力の多寡を判断基準に議論することがそもそもナンセンス。それでも社会にはキャパシティーがあって現実的に限られたリソースでどれだけの人を救えるのかを考えなければいけないのは長谷川氏の仰るとおり。しかしそれは白黒つけて生きるべき死ぬべきということであってはならないのです。

生存権憲法に明確に記されているので死ぬべきか生きるべきかという二者択一は日本では禁じられています。仮に長谷川氏のエントリーが憲法に切り込んでいるのだとしたら一個人がブログに掲載する内容としては無謀だとしか言いようがありませんが・・・

どれだけの堕落者であっても死刑囚以外、全員があまねく生きる権利を侵されてはならない。それが社会が穏やかに回っていくための最も根幹にあるこの国の絶対律。仮に長谷川氏の言うことが国会で可決されたら医者を脅してでも銀行に強盗にはいってでも透析を受ける患者が出てくることになってしまうのは容易に想像できます。 

本音を言えば長谷川氏の言う透析患者ではなくても、殺すなんて明確な殺意ではなくても死んでほしい人間なんてそりゃ人生生きてたらだいたい遭遇することになりますよ。長谷川氏のように自分にまったく直接的な害がない人を死んでほしいなんて思ったことは一度もないですが、直接的な被害にあった場合には人は時に簡単に安直な二者択一の「こいつは死んでほしい」なんてことを考えてしまうこともあります。その時に殺すか殺さないか殺せと言うか殺すなと言うかに人間が人間たる条件があって感情的な物言いで殺せなんて言うことは誰にでも可能です。同情とかめちゃくちゃな論理(例えば能力の多寡とか)によって殺すに値するなんて言い回しも書こうと思えば書けるけどそれでも書かないし言わないのが理性なんですよね。殺せとか死ねと簡単に言ってしまうのは理性のない弱い人間のすることです。それはちょうど長谷川氏の論法で書かれている能力のない弱い透析患者のそれのようにです。能力の多寡で生き死にを論じることそのものが理知の弱さを露呈することになってしまっているのです。

 

だから人間の本音は仲間内で管を巻くぶんにはかまわないが社会に組み込まれてはいけない。個人の本音はけっこうな確率でいびつでゆがんでいて社会性のかけらすらないことがほとんどなのです。人間はその能力以上に知力や理性を鍛えることのほうがはるかに難しいものです・・・僕の短い人生という経験上はいまのところそういうことになっています。

 

僕のブログよりも理知的なエントリーを書いてらっしゃる方々がいますので最後になりますが紹介させていただきます

watto.hatenablog.com

fujipon.hatenablog.com

nenesan0102.hatenablog.com