メロンダウト

メロンについて考えるよ

パチンコが賭博ではないとされている理由と意外と知らないパチンコ依存[カジノ法案]

カジノ法案が国会で強行採決されたということでギャンブル依存症に関する以下の記事を拝見させていただきました。パチンコ依存症ギャンブル依存症は微妙に違うこととパチンコはギャンブルではないとされている理由など書いていきます.

(最近はブログを常体で書くようにしていますが言及なので敬体で書いていきます)

www.yutorism.jp

パチンコが賭博ではないとされている理由と実際の現場

 

理由1・違法性阻却

 

一般に、法令に基づいて行われる行為や社会通念上正当な業務による行為は、刑法第35条の「法令又は正当な業務による行為」として、刑法に規定された罰条に該当しても犯罪は成立しない。したがって、賭博及び富くじに関する罪に該当する行為について、他の法律においてこれが行われることを許容したり、これが行われることを前提として規制を行ってたりしている場合は、特別にこれを合法化する趣旨か、又は社会通念上正当な業務による行為であることを前提として規制する趣旨であり、いずれにせよその限りにおいては合法性が確保されているといえる。

違法性阻却事由 (日本法) - Wikipedia

簡単に言えば違法であってもそれを合法化しちゃうよってことですね。

賭博罪に関して言えば例えば保険会社も人の生死にベットしてお金を賭けていますが保険法により違法性阻却が適用されるので違法な業種とはなっていません。

同じようにパチンコにも賭博罪を回避する法律が存在しているみたいです。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

こちらの法律の中にパチンコが賭博とはならない理由が書かれています。

 

理由2・賭博と遊技の違い

 

上記の法律にはぱちんこという単語はほとんど出てこず遊技機という言葉が頻出します。ざっと条文を読んでみましたが賭博と遊技機を明確に分ける文章は出てきませんでした。これもパチンコのグレーゾーンなのでしょう。読んでみて賭博と遊技の違いはなにかといえば偶然性の量というものすごい抽象的な表現になります。

賭博罪は2人以上の間で金品等を偶然性のある行為に賭けることと書かれています。パチンコはこの偶然性の部分を遊技という言葉でごまかしているので賭博とはならないとされています。

この文脈で言えば実際のパチンコ台を見てみるにパチンコは賭博ではないということもあながち間違っていないように見えます。設置されているパチンコ台は釘調整や打ち手の発射技術によって長期での偶然性は限りなく小さくすることができます

パチンコは現場で打ってみてもギャンブルではないことに関しては当ブログで書いたことがあるので興味のある方はこちらの記事も参照してみてください。

plagmaticjam.hatenablog.com

理由3・三店方式

賭博罪では金品の授受に関して規制されていますのでパチンコ屋と別に古物商の景品買取所が店のすぐそばに設置されています。

打ち手は出した玉を特殊景品と呼ばれる延べ板のようなものに交換してそれを古物商に持っていくと換金してくれるという手順になります。

だから賭博ではない、ということになっています。これに関しては明らかにおかしいですね。

 

パチンコが大量のギャンブル依存症をつくるからくり 

パチンコは長期ではギャンブルではないと書きましたが短期では運に左右されるのでギャンブルです。現場の多くの打ち手から見れば短期の収支がすべてであってその意味ではパチンコはギャンブルに違いない。そしてパチンコがギャンブル依存症を生んでいるのも事実。

法律でも長期の収支でもパチンコがギャンブルではないと説明できますが実際にギャンブル依存症を生んでしまっています。

なぜ競馬や競輪と比べてもこんなに大量のギャンブル依存症を生んでいるのか僕が現場で打っていた経験から理由をすべて書いていきます。

理由1・パチンコ屋ほど静かな場所はない

依存症とは代替行為や逃避行動といった側面があると言われます。アルコールだったり買い物であったり一般にいきすぎたストレス発散行為が執着となると依存と呼ばれるものになります。僕自身もタバコを吸うので気持ちはよくわかります。ストレスがたまったりイライラすると吸いたくなります。

このそもそもの依存症になってしまうプロセスを見るにパチンコは逃げる場所としての機能性を十二分に備えていることがわかります。

パチンコ屋がうるさいのはそのとおりなのですが人間に関して言えばパチンコ屋ほど静かな場所はありません。みな黙って玉をはじくかメダルを入れてレバーを叩くかしているだけでいわゆる人間関係における喧騒のようなものとは隔絶された世界です。そしてストレスは多くの場合、人間関係の軋轢によって生まれるので人間がこの上なく静かなパチンコ屋は依存場所として最適と考えられます。

理由2・パチンコ玉の発射スピードと脈拍 

パチンコ玉が発射される頻度は1分間に100発と規定によって上限が定められています。玉はたくさん発射されたほうが台の売り上げにつながるのですべての台が上限いっぱいの1分間100発発射される仕様になっています。

そして1分間に100という数字は人間が緊張している時の脈拍と同じです。人間には同調欲求、ミラーリングと呼ばれますが目の前の人などに同調しようとします。

例えば会話相手の足が組まれていたら自然に自分も足を組んだりした経験はないでしょうか?あるいは飲み会で乾杯するのも同じ行動をとることによって親密さを深める行為であったりします。

パチンコを打っている時にもこれは働いていてパチンコのハンドルを握ると玉が発射されるのがトントンと感触としてわかるようになっています。そしてこれに同調しようとして脈拍をあわせていくと緊張してしまいます。緊張すれば判断力を失い結果、無謀とも言えるお金を使ってしまったり冷静に台を選ぶことができなくなります。

理由3・タバコ

タバコは深く吸うとリラックス効果(ダウナー)があり浅く吸うと興奮作用(アッパー)があります。上述したようにパチンコを打っていると緊張してくるので店内に蔓延しているタバコの煙を浅く吸いお金などかけずとも興奮してきます。

理由4・金

一般にギャンブル依存症の原因として筆頭にあげられるのが金ですがパチンコ依存症の組成に関して要素としては理由1~3のほうが現場で見た感想として強いんじゃないかと思います。

お金がなくなったり増えたりするのに興奮することは間違いないのですがお金だけで言えばレートの上限がない競馬や競輪、宝くじのほうが依存症になりやすいと考えられますがパチンコのほうがはるかに依存症は多いです。 

 

カジノ法案とパチンコ

パチンコが賭博かどうかなんて関係ないんですよね。

パチンコは実に巧妙な依存症組成プロセスを備えています。ソシャゲ依存とかフェイスブック依存とか目じゃないほどがんじがらめにされているだろう人をたくさん見てきました。みんな目が死んでいた。そりゃ目が死んでもいい場所にきてるんだから目も死ぬよねとそう思うしかありませんでした。

パチンコ屋は存在自体が悪で全部ぶっつぶしたほうがいいことは間違いありません。僕はカジノにも行ったことがあり比較していえばパチンコはカジノよりもはるかに極悪な形態をもって依存症を生成しています。環境として身動きが取れなくなるような感じです。

カジノ法案でギャンブル依存症をみんな心配している。カジノも依存症を生むのでしょうけど間違いなくパチンコほどの極悪さを持ちはしないと確信しています。