メロンダウト

メロンについて考えるよ

イキイキママと教育無償化は申し訳なさそうにデュー・プロセスを踏むべき

なぜ選挙で論点にならなかったのか不思議なものが教育無償化です。

けっこう賛否両論あって然るべきだと思っているのですが反対する記事なりツイッターなりをほとんど見ませんでした。

僕個人はもともと共同体主義的な人なので反対どころか大賛成なわけですが、教育無償化は事実上の教育税金化なのは間違いない。

いままで既婚者と国の補助金などで運営されていた学校に独身者からとった普通税なども教育費にあてられる税制です。学校と親の金銭のやりとりを失くし政府が学校の運営資金を税金からすべて出すということは既婚者と独身者の教育への税負担が同じになる。

 

ただでさえ上方婚が増え勝ち組同士の結婚が増えている世の中で独身に税負担を強いる教育税金化は逆進税だと言えます。

そしてこれになぜ反対する人が見えてこないのかが不思議です。損得勘定だけで言えば反対する人はかなりいそうです。僕のように変に社会然としたイデオロギー固執している人のほうが稀なはず。生活のことだけを考えれば独身者は教育税金化には反対と言うのが自然な感情を持つ個人だと言えるでしょう。

 

最近話題になっているイキイキママに関しても教育無償化と同じ構造を持ってる。産休をとる人は同僚から見れば仕事が増えて迷惑です。教育無償化も独身者から見れば税負担が増えて迷惑です。

生活一般のレベルにおいてなんで他人の子供や教育のために仕事に追われ金も支払わなければいけないのかと考えることもありますが、その妬みを「人間かくあるべし」みたいな美徳で抑え込むわけですよ。ただただ独身者に耐えることを要求しているだけで現状、いっさいの独身者にたいする既婚者からの提供物はない。

ただただ独身者は仕事が増え、他人の子供の教育費を払う理由のすべてを「美徳」によって抑え込まれている。これはけっこう歪だと個人的に思っているのですよね。

 

教育無償化はその美徳にフリーライドしているのではと思うことすらあります。「子供のためと言えば独身者の税負担を増やしてもあいつらどうせ美徳持ってるから黙ってるだろ」的な・・・

実際まあ黙るわけですが。というか僕は子供はみんなで育てていければいいと思っているので関係なく不満はないわけです。しかしそう考えるのはあまり「自然な感情」とは言えないと思うのですよね。つまり産休や教育無償化に妬みや嫉みを持つ人間は悪であるからお前らが文句を言うこと自体が問題だと独身者をイデオロギー一辺倒で批判し差別しているわけですが、もちろん妬みも嫉みも普通の人間が持つ普通の感情です。

 

こういった声をあげづらいサイレント・マジョリティーにたいする課税はあらゆるところでみられ、例えば原動機付自転車の制限速度や二段階右折などの逆に危険な謎ルールも過料徴収のためかいつまでたっても変更されません。現在の年金制度などもそうですね。

 

声をあげないところから税金をとるのは火がたたないぶん都合がいい。たとえば同性愛者、LG(レズ、ゲイ)の方は子供を産む可能性がないので同性愛税をつくるべきだ、などと言えばとたんに大炎上しますが教育無償化もロジックとしてはまったく同じです。ソーシャルキャピタルとして子供をとらえた場合に子供を産むことは最も社会に貢献する行為の一つと言えますし実際そうだと思っていますが、それが子供を持たない人間の感情を無視していい理由にはならない。

つまりなんだかんだ書きましたがもう子供を社会全体で育てようという理念は確定的に明らかなわけですよ。

 

しかしその理念を実際に生活のなかに組み込み運用するためには文脈が必要であってそこにデュープロセス(適正手続き)の重要さがある。産休を取るママさんパパさんは同僚に申し訳なさそうにして独身者の心情を汲む手続きをとる必要があり、管理職と同僚はそれにたいして美徳により他意をおくびにも出さずに休ませる。結果は同じでもこの一見めんどくさい手続きがあるのとないのとではまったく違うんですよね。

教育無償化も教育税金化と明記して独身者に税負担をお願いすると公表して民意を問うべきであった。

結果は同じでしょう。産休制度はあるべきで教育も無償化すべきなのはまず間違いなく変わらない。しかしそれでもその結果に至るまでの過程の穏やかさにこそ共同体が存在

「し得る」のだとまったく今更な話ではありますがそう思います