メロンダウト

メロンについて考えるよ

増税しろ!今すぐしろ!

選挙が終わった。今回の参議院選挙では改憲が争点になっていた。選挙速報などを見ていて思ったのだがなぜ政治家はみな増税の話をしないのかが気になった。

増税こそいま最も優先してやるべきことだと思っているのだが違うのだろうか。もちろん僕は増税には個人的には反対だ。それは利己的な話で増税されると物価があがるから嫌だという単純きわまりない話。

 

しかしもう国という視点で見れば増税に踏み切ったほうがいいのではないか?

 

アベノミクスによって株価をあげ上場企業の給料や資産家など中産階級より上の人間はその恩恵を十分にうけおわって2年前からずっと株も為替も下がりっぱなしだ。

 

民主党政権の時に増税の話があったがあの時とは状況が違う。いまこの瞬間をおいて増税するタイミングはないのではないか。

そもそも増税インフレーションになって過剰に市場が活性化した時にすべきものだというのが経済学の定説だ。

アベノミクスによって富裕層の資産は増大し市場経済に波及してインフレにするというのが当時の安部首相や黒田総裁の思惑だった。そして名目賃金があがったところで増税をし赤字国債を償還していくというマスタープランがあったはずだ。

しかし資産家に富をあつめはしたが労働者階級には波及しないでアベノミクスは事実上終わった。市場経済に波及させるという計画は頓挫した。トリクルダウンの失敗というやつだ。

トマピケてぃが21世紀の資本でインカムゲインよりキャピタルゲインのほうが収益性が高いということを書いた。資本家は労働者に働かせるよりも資本に投資したほうが収益があがると知っている。経営者や資本家が雇用を創出することで労働者にも経営者にも利するという資本主義の構造は21世紀になって崩壊したのだ。以前は市井で労働させることで資本を拡充させていくことが資本家にもメリットになっていてそれがインフレーションをつくる最も重要な基礎だった。

 

しかし今は労働者に資本を分配しても労働者の生む価値が機械化などにより著しく低下したので労働者に資産を投下するメリットが経営者側にない。人的リソースに投資するよりも設備投資や市場に投資したほうがはるかに収益性が高くなってしまった。

だから労働者階級は永久に市場の恩恵を受けられない。つまりもうインフレになどならないのだよ。

 

だからインフレでないと増税してはいけないという経済学の定説はもはや現実にはただの机上の空論でしかない。インフレにはならない。じゃあいつ増税するのかと考えたすえむしろ今しかないのではないのか?

日本の1000兆を超える赤字国債を消化しプライマリーバランスを健全化するには増税するしかない。これは誰がどう考えてもそうだ。外債がどうだ内債がどうだなんて話もこれ以上赤字国債をふやし経済が破綻した時に資本家はその資産を海外に移転させる可能性が高い。爆弾を抱えているようなものだ。

 

このまま赤字国債を発行しつづけて困るのはいまの10代20代の若者達だ。いまですら非正規だ貧困だブラック企業だ非婚化だなんだかんだ言われているのにこのままいけば年おいたころにはどうなっているかわかったものではない。正直言って僕はそんな事態になっても絶対に引き受けるつもりはない。

いまこのアベノミクスでまがりなりにも好況に傾いた瞬間を逸していつ増税するのか。

 

アベノミクスという未曽有の株高が起こってこの有り様だ。もうインフレにはならない。資本と労働が均衡性を保って維持してきた経済システムはもう機能していない。だからもうインフレもデフレも関係ない。

 

増税をしろ!今すぐしろ!この国がまだすこし穏やかであるうちにだ