メロンダウト

メロンについて考えるよ

しかし真面目に「日本」を考えている人などいるのだろうか

今年の出生数が90万人を下回り過去最低を記録した。想定よりも早く少子化が進んでいる。

消費税増税により経済指標も軒並み悪化している。

消費増税の「悲惨すぎる結果」が判明…日本の景気、打つ手はあるのか(髙橋 洋一) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

来年はオリンピックがあってオリンピック需要で景気を底上げしている状態でこの数字だけどオリンピック後はどの開催国でも景気が後退するというデータがある。来年再来年あたりはさらにひどいことになる可能性が高い。

今までは日本終了などと何か遠い未来のように語られてきたけれど遂にそれが現実に形となってあらわれてきた。

アベノミクスによる財政出動も金融政策ももはや失敗と言っていいだろう。潜在成長率も実質賃金も購買力平価も水準は下がり続けているし。大企業の内部留保を拡大させ株価と失業率を盛っただけだった。

国会も自民党支配のままとって替われる野党がないせいで空転しつづけている。桜を見る会も森友も財務省の公文書改ざん問題もどれも重大な問題だったが政権をとって替わる材料とはならなかった。

その自民党の支持率もいまだ40%ほどで推移していてこれほど未来への不安材料が出揃っているにもかかわらず国民も「日本」などというものにはことさら無関心に見える。

 

文化財としての日本を消費し日本すげえええしていても現実の生活で日本の為に生きている人はほとんど見かけない。それほど現在の日本は希薄化している。国の為に生きるべきなんて言うつもりは毛頭ないけれどけれどここまで国家という概念が無碍にされているなかでこの状態が改善されることはあるのだろうか。

 

日本人は規範ある人達で他人にも優しく犯罪発生率も少ない。だから日本人は良い国民だとファクトフルネス的に言えばそうなるのだろうけど公共や共同体に関しての意識が薄い。

アメリカは大統領選挙が始まると政治に無知な人でも自分の意見を発信するしヨーロッパは存立の経緯を含めてヨーロッパ圏内で共同体を維持する意識がある。中東では国のあり方をめぐり内戦が起き、香港では民主制の存続のためにデモが行われている。

 

単に状況が違うといえばそうかもしれない。日本はかなり完成された国であることは間違いない。しかしそうも言っていられない状況が現実になってきた。いよいよ日本の未来なんていうあやふやなものに関して考えざるを得ないだろう。そのぐらい切迫している。

少子化が想定以上のペースで進んでいることを考えれば破綻すると言われている年金も想定以上の早さでたちゆかなくなるだろう。

年金を払う現役世代がいなくなれば高齢者は生活できるほどの年金をもらえなくなる。今はまだ中流階級が多かった世代が高齢者であるおかげで生活に困るほど困窮する人は多くない。郊外に家を持っている人などもいて最悪、家を売れば死ぬまでの金額は賄えるかもしれない。その最悪から漏れた人でも生活保護が機能できている。しかしロスジェネ世代、氷河期、団塊ジュニアなど経済格差がある人々が高齢者になった時には問題が現実になってあらわれてくるはずだ。

少子化で年金ももらえない、現役の時の格差のせいで蓄えもそれほどない。そうなったら生活保護を受けるしかないが生活保護がその時にはたしてどこまで機能しているのかという疑問すらある。

 

だから今考えなければいけないのだろう。10年後か20年後、今この時が最後の分水嶺だったと言われるようになることも十分に考えられる。それほどヤバイ状況だと言える。

 

そんな状況でも日本全体について考えている人は多くない。投票率などを見ても明らかに政治や経済をどうでもいいものと捉えている人がめちゃくちゃいる。

投票に行く人でもわけのわからない理由で自民党やN国に入れたり(すいません私です)実際問題、政治経済国家そのありかたを考えて投票している人の割合は国民の20%もいないんじゃないだろうか。

自民党に入れる人でも思想的な保守云々ではなく現状肯定の環境追随型の事なかれ主義的な理由で入れている人がいる。

その環境肯定の理由としてよく言われるのが自民党のおかげで売り手市場になったというやつだ。自民党が経済をよくしていると言われるのに有効求人倍率の数字があるけれど有効求人倍率に関して言えば

5000人以上の大企業の求人倍率は16年(0.7)から18年(0.59)19年(0.39)とむしろ下落していて全体で見れば求人倍率はあがっても格差が広がっていると見ることもできる。

いま問題となっているのはその格差のほうだ。大企業の内部留保を肥やし労働者にトリクルダウンするなんて幻想はとうの昔に終わっている。少なくとも日本でそんなことは起きなかった。資本で動いている大企業に国民を救う理由はない。外需を求めて海外に投資したほうがはるかに利得が高いのだから。つまり大企業の求人倍率がさがっている現状は格差が広がり続けていて日本全体で見れば状況が良くなっているとは言い難い。

 

格差を解消するには大企業の法人税をあげて内部留保を吐き出させたりキャピタルゲインに税金をかけたりヨーロッパがそうしているようにアップルやアマゾンなど海外プラットフォーマーに追徴金をかしたりすればいい。

それを自民党はやっていないのに自民党が経済を良くしているなど何を言っているのか甚だわからない。有効求人倍率は格差を広げた結果でしかなく株価は国債を発行して円をすりまくった結果でしかない。

やったことといえば周辺政策をすっとばして円を安くしたおかげで日本を買いやすくした。それだけだろう。

 

その格差のツケは20年後必ず国民全体にのしかかってくる。その時にはお金を持っている人から税金をとるしかなく結果同じことになる。どうせみんな貧しくなる。平等にみんな貧しくなろうと上野千鶴子さんがどこかで言っていたけれどその通りだと思う。

 

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人口を維持する方法は二つあります。一つは自然増で、もう一つは社会増。自然増はもう見込めません。泣いてもわめいても子どもは増えません。人口を維持するには社会増しかない、つまり移民の受け入れです。

日本はこの先どうするのか。移民を入れて活力ある社会をつくる一方、社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ国にするのか、難民を含めて外国人に門戸を閉ざし、このままゆっくり衰退していくのか。どちらかを選ぶ分岐点に立たされています。

移民政策について言うと、私は客観的に無理、主観的にはやめた方がいいと思っています。

客観的には、日本は労働開国にかじを切ろうとしたさなかに世界的な排外主義の波にぶつかってしまった。大量の移民の受け入れなど不可能です。

主観的な観測としては、移民は日本にとってツケが大き過ぎる。トランプ米大統領は「アメリカ・ファースト」と言いましたが、日本は「ニッポン・オンリー」の国。単一民族神話が信じられてきた。日本人は多文化共生に耐えられないでしょう。

だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。一億人維持とか、国内総生産(GDP)六百兆円とかの妄想は捨てて、現実に向き合う。ただ、上り坂より下り坂は難しい。どう犠牲者を出さずに軟着陸するか。日本の場合、みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい。国民負担率を増やし、再分配機能を強化する。つまり社会民主主義的な方向です。ところが、日本には本当の社会民主政党がない。

 

 

平等に貧しくなるしかもう選択肢として残らない未来がそこまできている。

 

ならば今、まだマシな状態のうちに日本全体について考えるべきだと言える。