メロンダウト

メロンについて考えるよ

ロックンロールの消滅、主体の消滅、適応の始まり

「ロックは反権力の象徴であったけれど、それは大きな物語の対立軸として存在していた」といった旨のツイートを見た。定説としては正しいと思うけれど、ロックは反権力のものではないと思っている。確かに反権力といった側面もロックにはあるけれど、それは…

『正欲』感想

朝井リョウさんの『正欲』を読んだ。 マイノリティーとマジョリティー、多様性という言葉がとらえきれない世界、マジョリティーの存在的暴力、重力に負けた人の巨大な諦め、正でもなく性でもない生。爆弾のような小説だった。この社会の正しさの裏で密かに錬…

ぜんぶ資本主義が悪い~『人新世の資本論』を読んでの所感~

斎藤幸平さんの『人新世の資本論』を読んだ。 資本主義は限界を迎えており、格差や気候変動といった問題を資本主義による経済成長によって解決するのは、結論としてもう無理であると書かれていた。トリクルダウンのような無限の経済成長を前提とした格差の解…

インフォームドコレクトネス~深淵としてのインターネット~

ここ数年間、政治的な議論においてたびたび使用されているものにポリティカルコレクトネスがある。「政治的正しさ」といった意味で使われているポリコレであるが、これには致命的な錯誤がある。 「政治的正しさ」は民主主義社会においてそもそも矛盾した言葉…

批判なき政府、批判なき五輪、批判なき藁人形論法

こちらのツイート 政府は「五輪をやりたい」んじゃなくて「中止という決断をしたくない」だけ、というのは慧眼で、もし心の底から一致して五輪をやりたいのなら、五輪前の適当な時期(たぶんGW)に全国に強力なロックダウンをかけてゼロコロナを実現していた…

日常というまやかし、ビジョンの不在、現場主義、忘却政権、非戦主義

新型コロナウィルス第4波がきているけれど、一年前からほとんど何も変わっていないのは驚くべきことではないだろうか。医療やPCR検査体制を拡充すべきだというのはずいぶん前から言われていた。クラスター追跡をするのではなく、全数検査に踏み切るべきだと…

サンデルと白饅頭、権威主義への迎合、観念の分断、あるいはシッキーについて

以下記事を読んで書籍を購入したのですが、読む前に所感らしきものを書いておきたい。すこしだけ長いです(6000文字ぐらい) www.hayakawabooks.com 前提として日本とアメリカの状況が違うことは留保しておくとしても、リベラル的価値観が能力主義、学歴偏重…

保守としてのリベラル(解放)とは何か~弱者男性問題から考える共同体~

突然だが人格には四面性がある。集団的、公共的、個人的、私人的の4つである。これら4つの側面、その均衡によって人格は成り立つと、西部邁氏は書き残している。集団的かつ公共的な側面において人はペルソナ(仮面)を被る必要があり、その一方で私的で個…

ゾーニングに関する雑文

駅へと歩いていたら、前からタバコを吸いながら歩いてくる女性がいた。アイコスだったかgloだったか。いまどきめずらしいなと思ったけど、その女性は僕に気づくとタバコを隠してすれちがっていってしまった。 深夜で誰もいないと思っていたのか。歩きながら…

いかにして恋愛は理性的なものへ落ちたか~弱者男性論とフェミニズムのマッチポンプ~

デビットライス( id:DavitRice )さんの記事を読んで思ったのだけど、こういう社会的文脈での弱者男性女性論ってそもそも論として違和感がある。 gendai.ismedia.jp 実際問題として統計上、恋愛しない人が増えているうえに少子高齢化も喫緊の問題なので恋愛…

政治的立場にグラデーションがあることを許せない人々

前々回の記事が広く読まれたみたいで、ツイッターのフォロワーも100人ぐらい増えたのですが、それとは別に左翼であろう人からDMで白饅頭氏の肩を持つなという長文DMが寄せられてきてかなり困惑しました。晒したりはしないですけど。 こんな泡沫ブロガーに…

情報化社会と個人主義が悪魔合体した結果としての男女論

以前に下書きしていたもののですが、話がとっちらかってボツにしていたものを修正したものです(まだとっちらかってるかも) 以前話題になった増田 anond.hatelabo.jp anond.hatelabo.jp 男女が非対称である以上、この手の話はかみ合わないと思うのでどちら…

市民感覚としての白饅頭、知性主義の限界、経験の抹殺

呉座氏の炎上の件で白饅頭氏が話題だけど、個人的に彼は市民感覚の人といった印象を持っている。市民感覚的リベラルとでも言えばいいのか、現代ビジネスの記事等を読んでいると市民の感覚を言語化することに長けている印象を受ける。政治的なことを市民感覚…

ツイッターの構造は改めて考えるに政治的な意味では相当やばいと思う

この前開設したツイッターアカウントでリベラルから保守界隈までいろいろ見てるのだけど、ツイッターはすごいね。魔境だね。みんなそれぞれ別の論理、別の価値観で話してるのに言葉が総体化しているように見える点であれは気持ちよくなっちゃうと思う。なん…

シン・エヴァンゲリオン感想~You are (not) エヴァンゲリオン~

※ネタバレあり シン・エヴァンゲリオン見てきた。人生だった。 ネタバレを読んでから映画を見に行ったせいか、冒頭でシンジ、アスカ、レイが第三村で生活しているシーンからすでに泣けてきてしまった。私の席の3つ隣の人も泣いていた。映画の結末がどうあれ…

偽の道徳に囚われる必要はない~道徳と恋愛のダブルバインドについて~

面白かった。 davitrice.hatenadiary.jp こんなブコメをつけた 道徳と恋愛は相性が悪い - 道徳的動物日記 人に加害してはいけないばかり語られるけど、本来は人を許容するのもまた道徳のはず。許容性の議論が置き去りになってる気がするんだよね。 2021/03/1…

Re: インターネットはつまらなくなった

黄金頭さんの記事を読んだ。インターネットは明るくなったという話。 blog.tinect.jp 肌感覚としてまったく同様の印象を抱いている。インターネットはより現実に近くなっているし、より礼儀作法が重んじられるようになっている。近年のインターネットがより…

さもありなんという感じ

真偽不明でもセクシストだということが暴露されるとここまで変わるのか・・・ b.hatena.ne.jp はてな民の風見鶏コメントはもうどうでもいいけど、元エントリーは人格云々を置いておいてもダメだと思った。 前回記事で最後のほうにダダダっと書いた部分をもう…

理性至上主義と化した恋愛市場ではかわいいとすら言ってはいけないのである()

なんだろうな note.com 現実的な話としては同意するのだけど、どこか違和感がある。 ようするにこれって女性の気持ちを理解しましょう系の話で、非モテ論争なんかでさんざん言われてきたものに近い。 「女性にかわいいと言わない」は恋愛工学でも似たような…

「私」の終わり、エヴァンゲリオンの終わり

シン・ エヴァゲリオンを見に行く前に書きたいことがある。見たあとでは書けないかもしれないから 先日から追っているエヴァ関連の記事等で以下のような発言を見つけた ゆうべ俺は「シンエヴァは傑作か駄作か。そんなことはエヴァおじさんやエヴァおばさんの…

リベラルの誤謬~反差別を掲げることによって生まれる差別~

誰かを嫌う自由や差別する自由ってもう何度も話題になったことだけど、あらためて考えるとよくわからなくなる 増田は2つの「嫌う自由」を混同してるぞ LGBTを嫌う自由はあるのか まず差別が駄目だということは大前提としてあるにせよ反差別が行き過ぎると人…

虚無と化したインターネットでそれでもブログを書いていく

前回の記事を読んでもらえればわかる通り、もうネットは虚無であるみたいな感覚に支配されていたのでブログを書く気力が湧かなかったのですが、このままにすると放置しかねないのでちょっと書いていこうと思います。 炎上クリエイターの増田がはてなにあがっ…

西部邁『虚無の構造』がインターネットを語るうえでかなりの名著だった件

亡くなられた西部邁さんが書き残した『虚無の構造』を読んだのだけど思いがけずインターネットのことについて書かれていたので紹介がてら何か書いてみたい。 著書の中ではインターネットという単語すらほとんど出てこない。著書の主題は虚無、ニヒリズムにつ…

森喜朗の発言を批判する人々による老人差別のほうが深刻だ

なんかまたこういうタイトルにすると逆張りとか言われそうだな。 森元総理が女性蔑視発言をして批判されている。 問題となった発言は「女性がたくさんはいっている会議は時間がかかる」となっている。公務に携わる人間としては論外だけど本人は何が問題かわ…

「うっせえわ」を若者の歌だと考えるのはもったいない

Adoさんの「うっせえわ」が流行っている。はじめに貼っておこう。いや歌うますぎ。 youtu.be あまりブログに書いたことはないと思うけど、音楽はけっこう好きでボカロもよく聴いたりしている。ボカロはメロディーが好きなの全般をプレイリストにつっこんで聴…

コロナ禍における保守主義の必要性、あるいは保守のリベラル化

コロナウィルスを軽視すること及び保守主義についてです 小林よしのり氏を筆頭に保守界隈で「コロナはインフルエンザよりも怖くない」という言説がたびたび聞かれるようになった。はてなでは一顧だにもされない保守論壇だけど、僕はけっこう好きだったりする…

思想の重要性~なぜ人は人に助けてと言えなくなったのか~

なにかいろいろ考えさせられる記事 mainichi.jp コロナで失業した女性の記録だけど、自己責任社会極まれりみたいな内容で悲しくなってしまった。なんでここまで「助けて」と言えないのだろうか・・・ なんてことを書いてみても自分も同じ状況になったとして…

学問としての麻雀~麻雀は人文学のものか、統計学のものか、あるいは天鳳鳳凰卓雑感~

またまたいつも書いているような記事とは全然関係ない記事です。こういうのも書いていこうと思います。こういう状況なので政治について書くこともあるにはあるんですけど、菅政権はもはやだれがどう見ても駄目なので批評するまでもないというか 記事を書く時…

進撃の巨人が連載終了するけれど進撃の巨人ロスの人にはゲーム・オブ・スローンズをオススメしたい

ついに進撃の巨人が連載終了するみたいで、大変かなしい気持ちと同時にラストはどうなるのかといった期待がいり混じっている。 進撃の巨人のストーリーはいまさらここで書くまでもないけれど、巨人が攻めてきて人間がそれになんとか抗って奮闘していくと思…

新型コロナウィルスについて「想う」こと

2回目の緊急事態宣言が始まったわけだけど・・・内容を見るとあまり効果はないだろうね。 病床も既に埋まっているし、これからコロナに罹患すると自宅待機で生きるか死ぬかみたいな状態になることは必至なのでしょう。そう考えると今が一番やばい状況なのだ…