メロンダウト

メロンについて考えるよ

日本保守党がこれからくるのかもしれない

リハックで東京15区の候補者討論会が配信されていたので見ました

 

衆議院議員補欠選挙・東京都第15区(2024) なんで立候補したんですか?【ネット討論会】 (youtube.com)

 

立憲民主党の酒井菜摘さん以外全員参加で社会保障憲法改正・議員の待遇・裏金問題などいろいろなテーマについて話していた。

具体的な内容については討論の内容についてまとめられてるPDFがあるのでそちらを見てほしいのだけど、番組を通して見た感想としては日本保守党以外すべてリベラルなのではないかというものだった。参政党やつばさの党のスタンスはいまいちはっきりしないものの、他の候補者は元自民党の議員だった秋元さん含め、総じてみな主張の内容がリベラルのそれであった。

日本保守党の候補者である飯山あかりさんのスタンスは明らかに愛国保守であり、「男女共同参画会議は無意味なので廃止するべき」「アファーマティブアクションには反対」などの意見を述べ、それについて他の候補者がリベラルっぽい反論をするという構図が一番印象に残ったシーンだった。

 

いままでの政局では保守といえば自民党で、特に安部派がその中核だったけれど、安倍さんが亡くなったことや裏金問題によってその求心力が失われ自民党もリベラル政党になったと言って良いのが現状であると思う。つまり保守政党がどこにもいなくなり、それがラディカルか穏健かにかかわらず主要政党は軒並みリベラル政党だというのが現在の政局である。

 

そこに日本保守党が入ってきて支持を集めている。今回の番組のコメント欄もほとんど日本保守党の候補者である飯山あかりさんのファンコメントで埋まっており、代表である百田直樹さんが政党をたちあげた際に出演していたAbemaプライムの視聴回数も400万再生を超えていたりする。

【アベマ同時配信中】「『日本保守党』って何だ?百田尚樹&有本香が生出演」 9/26(火)よる9時|アベプラ - YouTube

僕も最近まであまり注目してはいなかったのだけど、日本保守党の人気を見るに、社会・政治・政党のすべてがリベラル化していく中にあってそれにたいするバックラッシュは思いのほか大きいものなのかもしれない。

実際、「リベラルに業を煮やす」という感覚は今回の番組を視聴していてもふと感じることがあった。リベラリストの言説は良い政治・良い社会・良い人間であろうとするがあまり誰にとって良い社会なのかということがすっぽりと抜け落ちてしまっている。そのような煮え切らなさを感じる。普遍的かつユニバーサルに社会や政治を捉えすぎていて日本人にも外国人にも男性にも女性にも子供にも良い政治を志向するがあまり結局のところ何も言っていないのと同義であるというような肩透かし感があることが否めない。そうしたふわっとした言説にたいし保守、ナショナリズムの立場から物を言う飯山さんの話が痛快に聞こえるのであろう。明確に日本人の為の政治を語り、臆することなく男女の役割論を唱える。そうした人は今の時代、珍しい。

 

僕は特段、日本保守党を支持しているというわけではないけれど、どの国においても国家や伝統を基盤としたナショナリズムが求められているのは間違いない。国家が社会基盤(クライテリオン)をつくりそこで暮らす自由を保障された個人の多様性が民主制を支える芽となり国家へと還していく。そうした循環によって支えられているのが民主主義だと思う。最初にあるのは基盤なのか自由なのかという議論にたいした意味はなく、ただ、ひとつだけ言えるのは基盤がなくなれば自由もなくなるということであり、自由のためにこそ保守主義は必要とされている。実際、保守主義者は自由が好きだ。コロナ禍でロックダウン(的措置)や相互監視に異を唱えていたのも保守論壇の人(藤井聡さんや小林よしのりさんなど)ばかりであった。

反対に自由や平等を志向するリベラルはその自由に耐えられなくなった時、不安や欠乏を覚え、逆に規制を唱えるようになるのかもしれない。

いずれにせよ社会や政治のどこを切り取ってもリベラルっぽい今の状況にあって逆説的に保守が求められているのは間違いない。そこに収まるのが日本保守党なのかどうなのかはわからないが、ネット上の人気や街頭演説の様子などを見るに一大勢力になる可能性も否定できないように思う。

 

僕もどちらかと言えばリベラルよりかは保守よりの人間ではあると思うので、なんとなく、ゲームでもやりながら日本保守党の様子を見守っていくことにしたい。