メロンダウト

メロンについて考えるよ

違反者講習を受けてきたのだが若者の車離れの理由が分かった

信号無視したので免許更新で違反者講習を受けてきた。あ、いちおう言っておくと信号無視はトラックの後ろで信号が見えなかったのだ。

 

2時間の違反者講習をうけてきたのだけど飲酒運転の刑罰の重さ、重大事故の影にある膨大なヒヤリハット、死亡事故被害者の嘆きのビデオなどを学んできた。

 

自分は物損事故も人身事故も起こしたことがないのだが違反者講習を聞いたらすこし車を運転するのもためらわざるを得ない気持ちになった。

端的に言えば「車はリスクがでかすぎる」のだ。経営者や富裕層はドライバーを雇う人が多いのはわかる。車はリスクが大きすぎる。

 

講習で北海道のビーチで飲酒運転して歩行者を引いてしまった男の実刑の話をしていたのだがなんと24年らしい。人を殺したのだから当然と考えることもできるが、たった一日の気の大きさの迷いで24年の実刑を食らう。

道路交通法改正以前は飲酒による危険運転致死傷は過失扱いで5年程度だったらしい。飲酒運転被害者の嘆願書などで飲酒運転が厳罰化した。しかし飲酒運転によるまったく覚えていない状態での犯罪で「24年」とはなんたる重い刑なんだろうかと思った。もちろん許されるべきことではない。もちろんである。しかし飲酒して気が大きくなった過ちで起きた事故による刑罰が24年は重い。殺人犯のように殺人の意志がないことは明白だから社会的な悪とはいいがたいとも思ってしまった。

 

こんなことを書くと車や酒を規制すべきだと思ってしまうが、現実問題として車がない社会は成り立たないので付き合っていくしかない。自分もドライバーを雇ったり逐一タクシーを拾う財力はないので「付き合っていくしかない」。

車はリスキーというのは講習を受ける前からずっと思っていたことなので、最近は一人で移動するときは若者よろしく原付(zoomer)ばかり乗っている。原付だと仮に3m前方にいきなり人が出てきても避けきれる自信がある。

思いっきりハンドルを切れば自分がこけて怪我し最悪、バイクが壊れる程度で済むだろう。よほどの悪状況でない限りは死亡したりすることも相手に怪我させることも原付であればない。車だともう通常走行中(60km程度で走行中)に人が飛び出してきた時点でOUTである。

原付の欠点は車の事故に巻き込まれたら被害がでかいだけだが人に怪我させて(保険があるとはいえ)何千万の賠償金を支払い、過失致死など罪悪感にうなされるよりは自分の足が折れるぐらいのリスクはどうということはない。

 

 

しかしそれにしても車はリスクが大きい。危険な目にあいそうになることをヒヤリハットと言うらしいのだが講習で聞いところによると、300の事故にはならないヒヤリハットがあり、その上に30の軽微な事故があり、そしてその上に死亡事故のような重大事故があるらしい。

ヒヤリハットが事故になるかどうかは運であってヒヤリハットそのものに気をつけようといっていた。その話とともに違反者の賠償金や実刑の話などを聞いた。

 

ヒヤリハットが事故になるのが運であれば実刑や賠償金もまたある程度は運ということになってしまうがそんな運に支配されたものにある種人生を預けているのかと思うと車が怖くならざるを得なかった。

あるルート配送のドライバーなどいつものように配送先を回っていたらたまたま子供が飛び出してきてブレーキが間に合わず死亡させてしまったらしい。最近、amazonとヤマトや佐川急便など物流業界の賃金が話題になっているが・・・

大型トラックというリスクを抱えていてそれで低賃金で働いてルート配送中に子供が飛び出してきたら人生終了である。車は怖い。たぶん事故にあうまではリスクについては「実感」がない。僕もこうして書いてはみてみるが実感があるかと言われるとおそらくは薄い。

リスクのことばかり書いてきたが車はおおむね楽しい。ドライブも楽しいし、運転中に音楽を聴くこともおおむね楽しい側面もある。それにしても刑罰にしてもドライバーの賃金にしてもリスクに見合うだけの楽しさかといわれるとはっきり言ってそこまでして運転したいとはまったくもって思わない。

 

それでも100%、安全な走行をしているかぎりなんらの社会的なリスクがないのであればまだいくばくかましであろう。しかし車だと過失の割合があって、逆車線のコンビニから中央線をまたいできた車と衝突しても

8:2という過失割合になってしまう。ただまっすぐ走っていて横から車が飛び出してきても注意義務違反になり事故となる。

 

昔はトラックのドライバーといえばブルーカラーを代表する高給取りだったらしい。しかし最近は非正規化になり下請け孫受けでリスクだけしかない状態で働いている人もめずらしくない。

飲酒運転も以前は過失扱いでいまほど刑罰が重かったわけではない(厳罰化が悪いとは言っていない)

今はリスクばかりが目に付くようになってしまった。高齢化社会で高齢ドライバーの事故に巻き込まれることもあるだろう。そのときにも過失割合で事故の責任は負う形に今の法律ではなっている。

 

運転免許の取得が当たり前になった社会では運転技術は稼げる技能とは言えず、車の刑罰が軽くなることはまずもってありえないだろう。自動運転技術の話題もあるが今この時代こそが未来から見るとなんとばかげたリスクを背負って運転しているんだろうと思われる唯一の時代なのかもしれない。

ここまで長文を書いておいてなんだけど、車はリスクがでかいし小さくなったことはないのでこれから先もリスキーなままdeathね。

みんな原付に乗ってまったりいきましょうよ。zoomerはダサかっこいいぞ。

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おしまい