メロンダウト

メロンについて考えるよ

自民党単独で3分の2はやりすぎでは

選挙が終わった。自民が単独で3分の2以上取ったということで個人的には最悪の結果になったと思っている。

plagmaticjam.hatenablog.com

 

自民党の歴史的大勝と中道の壊滅的敗北となったことにたいしてこれからいろいろな分析がなされると思うのでそれを読むのが楽しみということぐらいしか良いことがない選挙だった。

 

前回記事の補足的な話になってしまうけれど、今回の選挙で感じたことはなんでみんな「どの党が良いか」で投票するのかということだ。

選挙になると各党が政策集を出すのでそれを参照して投票先を決めましょうとよく言われる。いわゆるボートマッチを使いながら最も自分の考えに近い政党に投票するのはかなり一般的な投票行動である。こうした投票の仕方はみな自分の生活があって時間がない中で投票先を決めるにはとても有用だと思う。いつもなら僕も選挙になると政策を見て投票先を決めていた。しかしながら前回記事でも書いたように今回の選挙において政策としてそこまで大きな争点があったようには見えなかった。立民は公明と合流したことで安保法制を合憲と解釈し、消費税減税に関してもほとんどの党が推進の立場である。フェミニズム的観点から見ても高市総理は女性初の総理であるうえ、政策に関しても家事代行やベビーシッターの利用料金を所得税から控除するなどリベラル的政策をとっている。ようするにSNSによって世論の影響力が強まると各党の政策的差異がなくなっていくため、どの党が良いか判断することが難しくなっていくのだ。今回の選挙がまさにそうだった。先の参院選では排外主義が争点化し、その前は裏金問題のようなわかりやすい指標が投票を左右していた。しかしながら今回の選挙で最も大きく報道されていたのは消費税減税で争点化するような対立はそもそもなかった。減税には多くの党が賛同していたからだ。逆に言えば政策で投票先を決めるのが難しいのが今回の選挙だった。

 

そうなると選挙では政策よりも党のイメージ戦略や広告戦略が重要になってくる。高市総理もそれをわかっていた。イギリス紙が「日本で選挙に勝ちたければはっきり話して、何も言うな」と評したように選挙期間中に具体的な話をすることは避けていたし論争になるような場所にはそもそも行かないという選択をしていた。なによりも短期間で選挙戦が行われたことで論争になるような時間がそもそもなかった。広告に関しては一週間あまりで一億再生とやりすぎなぐらいやっていた。

逆に立民は公明党と合流したことで宗教色がついてしまったためか票を失った。共同代表の2人にしても高市総理がはっきりと喋る女性であるせいか中道の代表のほうが古い政治家としてのイメージが強かった。

 

つまり政策的な差異は少なくなっていて政治も経済と同じようにアテンションエコノミー化し始めたその機先を制したのが高市政権で失敗したのが中道だったというのが今回の選挙だったと振り返ることができるわけだが、一方でこのような政局においてどうやって僕達は投票先を決めれば良いのかという問題が出てくる。イメージが良いほうに投票するのはあまりにも愚かであるのだが、政策で選ぶのも難しい場合、どうしたら良いのか。

そこで考えるべきは議会のバランスであろう。今回、自民党が単独で3分の2以上の議席を確保したことで憲法改正が実現可能な体制が整った。それを批判する勢力である中道は議席を大幅に減らし衆議院自民党議席の過半を占める形になった。事実上、高市政権を全面的に信任する結果となったわけだが、素朴に思うのはみんなこの事態が怖くないのかということだ。僕は自民党にも投票したことがあるし積極財政にも割合賛同しているのだが今回ばかりは絶対に投票できないと思っていた。理由は単純であまりにも大勝するとそもそも議会として機能しなくなるのではないかと考えていたからだ。そうした僕の心配は現実となり自民党が大勝したわけだが、自民党が判断を間違った時にそれを批判できるだけの勢力がもう衆議院には残っていない。憲法審査会の会長であった枝野さんも落選して任を解かれることになる。

なにかみんなリベラルが負けたといういつも通りの感じでいるのが不思議でならない。確かにリベラル政党は負けたが、上述したように消費税減税や育児支援のようなリベラルの政策は自民党に吸収されたので負けたどころか勝ったと見ることもできる。そんなことよりも今回の選挙で起きたことは議会が機能しなくなる恐れが出てきたことでそれはリベラル云々よりもよほど重要なことであろう。もちろん自民党内での調整なり各種委員会での協議があるにせよ衆議院での与党野党による緊張関係はもう機能しなくなっていくのではないか。僕にはそれがとても恐ろしいことに思えてならない。

 

どの党が良いかなんてある意味ではどうでもいい話である。もっと重要なのはどんな議会になるかのほうであり、その意味で今回の選挙は最悪の結果に終わった。