メロンダウト

メロンについて考えるよ

普遍男性論~いつから恋愛は恋愛をやめたのか~

前回記事で普通について書きましたけどいわゆる恋愛における普通についてもちょっと思うところがあるので書いていきます。

すこし前にnoteで普通の男がいないというエントリーがあがってきて大変話題になっていました。

note.mu

 

普通の男性の条件として以下のことがあげられています

・清潔感がある
・挨拶やお礼がちゃんとできる
・常識があり、人の目が気になるようなことはしない
・素直である
・人に気が使える
・計画性があり、全体のことを考えられる
・男尊女卑ではない
・話し合いができる
・尊敬できるところがある
・コンプレックスが強くない
・金銭感覚が合う

 

 

この記事を見たときに真っ先に思い出したのがアブリル・ラヴィーンのComplicatedという曲です。

www.youtube.com

歌詞にCoolでいようと振る舞うあなたが私にはとても馬鹿馬鹿しく見えるという部分があります。

I like you the way you are 私はありのままのあなたが好き
When we're drivin' in your car 一緒にドライブしている時や
And you're talking to me one on one 二人きりで話している時の
But you've become... でも あなたは
Somebody else 'round everyone else 周りにいるほかの誰かみたいになっちゃう
You're watching your back like you can't relax あなたは後ろを気にして リラックスできてない
You're tryin' to be cool かっこつけようとしてるけど
You look like a fool to me 私にはバカみたいに見える
Tell me 教えて
Why do you have to go and make things so complicated? どうしてあなたは物事を複雑にするの
I see the way you're acting like you're somebody else 他の誰かみたいに振る舞ってるのをみると
Gets me frustrated イライラする
Life's like this 人生ってそんなもの
You, you fall and you crawl and you break あなたは転んで、はいまわって、そして傷つく
And you take what you get and you turn it into honesty そうして手に入れたもので 正直な自分を取り戻す
You promised me I'm never gonna find you fake it もう自分を偽らないって私に約束した
 

引用元

歌詞和訳 | Complicated (複雑)-Avril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン) | コンプリケイテッド - 名曲から学ぶ英単語

 

coolはかっこよくとも訳せますが普通でいよう、ふさわしくいようとも訳せます。

他の誰かみたいに普通でいようとすることをやめてもっと自由に恋愛しようが歌詞全体の意味になりますが

男性にとってこういう普通でいることへの重圧は現実にもたぶんにあって普通でいようと思うあまりにむしろ普通ではなくなるみたいな逆転現象がよく起きます。自分も感じたことがあります。すこしでも好きな人に良く見られたい。「普通」な振る舞いができる男に見られたい。ふさわしく振る舞おうとして過度に普通を着込んだ結果むしろ馬鹿馬鹿しく見られる。男性なら誰しもそんな経験があるんじゃないでしょうか。

 

だからnoteの記事を見た時に思ったのは「そんなことみんな知っているよ」でした。

というか普通に振る舞うことが「できなくなること」が恋愛ではなかったのだろうか。

仮に僕が女性に向けて恋愛のアドバイスをするのであればむしろ初めてデートに行った時に普通に振る舞うことができる男性はあなたのことが好きではないと思うよぐらいのことは言うと思います。

いつから君は私の求める君ではない、普通ではないなんてことが大手を振って言われるようになったのだろうか。少なくとも好きな人とデートしている時は普通でいることなんてできないがコンセンサスとして認知されているものだと思っていたけれどそういう考え自体がもう古いのだろうか。

 

人はみんな愛されたい。女性が化粧をして愛されるようになるのと同じように男性も女性が男性に求めるものを知っています。しかし男性のそれは女性の化粧ほど単純ではない。愛されうる人格(普通の男性像)をインストールしようとすればするほど自分の表情などとズレが生じて奇妙で馬鹿馬鹿しく見える。それはアブリル・ラヴィーンも歌っている通りです。普通の男を完璧に演じきれる人なんていない。しかしそれで良かったのではないだろうか。普通の男ではないと知っていき、普通ではない部分を正直に認めてたがいの価値を分かち合える関係性を築くことが恋愛ではなかったのだろうか。

仮に完璧に普通の男なんてものが現実に具現化したらそれこそとても奇妙なものになるに違いありません。

 

普通なんてことはみんな知っています。それこそ男性は女性が求める普通がどういうものか嫌というほど知っている。普通にかっこよく振る舞えるようになりたいと男性はみんな思っています。しかしそれができない。

できないでうまくいかないで・・・でもいつか普通なんてことができなくてもいい女性と出会い自由になれることを望んで普通ではないまま不格好に恋愛していきます。そうして普通世界の外部に価値を見つけ出す。そうした営為、そういうことが本来的な恋愛や結婚の意味ではなかったのかと僕なんかは思います。

僕自身について言えば単に「普通」なんてことを聞くと反射的になにか言いたくなる中二病なだけですのであまり真に受けないでください。

こちらからは以上です。