ちょっと気になったので。内容はないです。
「差別禁止は分断を生む」と西田昌司さんが発言したらしい。
自民・西田氏「差別禁止は分断生む」ＬＧＢＴ法案 - 産経ニュース
はてなブックマークでも「差別禁止に反対するとは差別したいのか」というわけのわからない批判があったりネット上ではめちゃくちゃ誤読されているけど、西田さんのこの発言は自民党が中心となって設立した一般社団法人LGBT理解増進会に掲載されている議論に準拠したものに過ぎないと思われる。
こちらのサイト上に理解増進と差別禁止の考え方の違いが明記されている。あくまで自民党内の認識に限るものではあるが。
理解増進法と差別禁止法
わが国のＬＧＢＴを巡る現状を直視すると、今後の人権推進には、当事者間を含む多くの賛同が得られていますが、パートナーシップ制度、同性婚は、未だ国民的な議論が足りないと考えます。さらに差別禁止法は、賛否が大きく分かれています。
理解増進法
・時間は掛かるが、確実に理解が深まる
・一人の差別主義者も出さない
・与党案として成立の可能性が高い
・多くの学びが期待され全国の当事者団体等の活動が活性化される
・今後のすべての施策の基礎となる
差別禁止法
・一見して即効性があるように思われるが、現時点では賛否が分かれており対立を煽る
・不注意な発言が差別と断定されるリスクがある
・与党が反対では成立が極めて困難
・差別禁止を掲げる団体等の既得権につながる恐れがある
・保守層の理解増進の妨げになる可能性がある
こうした議論の枠組み自体に賛否はあるだろうけれど、西田氏は何も一般的な意味での「差別禁止に反対」と言っているのではなく、自民党内の議論の枠組みにおいて「差別禁止派ではなく理解増進派である」と言っているだけなのだろう。
実際、冒頭のニュース記事の最後にも以下のように書かれている。
差別禁止でなく、理解増進という形の法案になった場合には「混乱なくできるのではないか」との見通しを示した。
差別禁止に反対というともはやそれだけでニュースバリューがあるせいか、即時反射的に炎上したりするが、当然ながらそこには文脈がある。西田氏は差別禁止法案賛成派ではなく理解増進法推進派なのだろう。単にそれだけのニュースである。
それだけなのに差別主義者というレッテルを貼るはてなブックマークは本当どうしてしまったんだ。昔ならもうすこし裏読みしてくれるコメントがたくさんあったのに。というかこういう一元的に見える話にこそ多角的な視座を与えてくれるのがはてなブックマークの良いところではなかったのか？
自民党内には差別主義者しかいないという謎の世界線で生きてるのかなんなのか。昔からはてなはリベラルなところではあったけど、ここまでではなかったように思う。人気コメに差別主義者というものまであったし訴えられてもおかしくないと思うぞ。党派性に染まりすぎでしょ流石に。
