メロンダウト

メロンについて考えるよ

Who goes to hellキャンペーン(*´ω`*)

コロナウィルス第二波がきているなかGo to hellキャンペーンが始まるみたいだ。

かなり爆発的に増えているいまの状況で旅行を奨励するのは常識的に考えれば愚策であるがそう単純な話でもないように見える。

観光業界の売り上げは前年比で5%程度まで縮小していて現在は補助金と銀行のつなぎ融資により経営を維持している状態のようである。単純に考えても補助金の減額が決まると補助金を材料にした銀行の融資もストップするので会社を潰すしかなくなる。だからいま無理矢理にでもキャンペーンをはってお客さんに来てもらうしかないのだろう。

つまりもう自粛による補助金経営は行政にとっても観光業界にとっても限界にきている。感染が拡大してもいいから旅行に行ってもらって観光業界をなんとか維持させるか観光業界にはつぶれてもらうかの二択になっている。あるいはキャンペーンを開始しても客足は戻らずに税金を無駄に使ったあげく観光業界もつぶれてしまうという最悪の結果になるか・・・

 

キャンペーンによって感染が拡大することになっても観光業界全体がたちゆかなくなれば周辺業界どころか地方経済へのダメージも尋常ではないものになるはずでその意味でもうコロナは無視して普通に経済を回そうと政府が言うのは至極まっとうな判断であるとさえ言える。もう限界なのである。

実際、今回のキャンペーンに関してはほとんど他人事のように考えている人が多いように見受けられる。まずはじめに限界がきたのが最も打撃を受けた観光業界であるがそれが飲食店および余暇産業全般まで波及するのは時間の問題だ。その時に今のように

「需要を喚起するようなキャンペーンは愚策であり経済活動をストップしてみんなで自粛するべき」と言う人がどれだけいるのだろうか。

大西つねき氏が命の選別発言をして批判されたがコロナ禍はもう誰およびどこが死ぬべきかという段階まで差し迫った問題になっている。優生思想でもなんでもなく非情なリアリティーとして。

4月の段階ではアメリカやイタリアのように爆発的なひろがりを見せていなかったので日本のコロナ対策は優秀だという声もあったが、優秀であるがゆえに長期化し、長期化ゆえに経済は死ぬ。それが当時は議題にならなかった。中国のように人の移動を徹底的に監視したりロックダウンしたりと短期集中的な方法が最も経済的なインパクトが少なく済む方法だということは言われてこなかった。むしろロックダウンや過度な自粛をすると経済が死ぬと言う人ばかりであったがウィズコロナのような長期での対応をしたほうがむしろ経済はたちゆかなくなる。それが今の状態である。はっきり言ってもう生殺しみたいな状態にある産業ばかりだ。観光だけでなくブライダル業界なども大規模な集会という点からやばいみたいだし居酒屋などの飲食は報道されている通りの状態でイベント業界もなにもかも人が人に会う産業はコロナが収束(ワクチンや治療薬および集団免疫ができる)しない限りもとには戻らない。

 これらの観点から日本の現実はかなり逼迫したものになっていることは間違いない。株価などは一見すると堅調のように見えるがアベノミクス実体経済を反映していないのはもう何年も前からで市場はもう人間を問題にしていない。その点でいわゆる景気動向や経済指標などから見る以上に実体経済はすでに壊滅している可能性がある。

いっぽうのメディア上では医学的合理性のもとに感染を防止するか経済活動を優先するかといった議論がなされているがそんな余裕がある現実はすでに存在しないのだろう。現実的にはたとえ感染が拡大してもキャンペーンをやらざるを得ない状態なのかもしれない。もちろんアベノマスクのように誰もやめようと言うことができない自民党の怠惰が理由である可能性もある。そちらのほうが可能性としては高そうであるが自民党の対策がどうこうを置いておくとしてもこれだけ経済的な需要が死んでいる状態でふたたび経済をまわしていくことは根底から成立しないという現実のほうがはるかに深刻だと言える。

 

あちらをたてればこちらがたたずの状態では決断と選択が必要となりその点でトリアージとして誰を生かすのか誰が地獄に行くのか迫られる。それがGo toキャンペーンの実情なのだろう。だから政府はなにも言うことができない。もう補助金を出して経済を一時停止できるような余裕がないというか「見立て」もないのだろう。補助金として出せる金額は観光業界全体の売り上げに比べれば微々たるものであって復興には民間の需要を取り戻すしか解決策はない。その意味で今この時期が瀬戸際だと判断するならキャンペーンをやってもいいと僕は思っている。現状のコロナによる死亡リスクなどを考えればGDPの4%を占める観光業を救うほうが優先順位は高いと言える

実際にはこれだけ感染が拡大しているなかではキャンペーンがはじまっても旅行に行く人は増えないと思うけれど・・・